72を切りたい!ゴルフを愛するアマチュア中年オヤジの「ゴルフ本」レビュー

~ゴルフレッスン本の感想、ゴルフあれこれ、その他いろいろ。気の向くままに~

春季高校野球・関東大会

 今日は私は休みだったので、ちょうど千葉県で開催されている高校野球の大会を観戦してきました。「春季関東地区高等学校野球大会」、いわゆる関東大会というものです。

 

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 今日は大会3日目、準々決勝で、会場は千葉県野球場(千葉市稲毛区です。朝からJR、モノレールと乗り継いで、売店でペットボトルのお茶とお弁当を買ってスタンドへ。

 

 第1試合の東海大相模(神奈川推薦)vs常総学院(茨城1位)を途中からと、第2試合の日大三(東京1位)vs習志野(千葉2位)を観戦しました。

 

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 群馬、栃木、茨城、神奈川、埼玉、千葉、山梨、東京の各代表校が出場する春季関東大会は、甲子園常連校など強豪校が顔をそろえるので、ハイレベルなゲームが展開されることから、関東在住のコアな高校野球ファンには注目の大会で、今日も平日であるにもかかわらず、多くのお客さんが入っていました。

 

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(3塁側スタンドより。試合開始前「7分ノック」の光景。私は高校野球では、神宮球場マリンスタジアム横浜スタジアムなど「プロ仕様」の球場で行われる試合より、こういう地方球場で行われる試合の方が雰囲気があって好きです。) 

 

 高校野球といえば、一般の方は夏の甲子園春の甲子園、またはいわゆる甲子園の予選、「夏の地方大会」をイメージされると思いますが、秋季大会や春季大会という各県、各地域ごとに開催される大会も非常に面白いので、機会がありましたら、ぜひ一度観戦に足を運んでいただきたいと思います。

 

 あくまで私見ですが、私自身は夏休みには甲子園球場までクルマを飛ばすほどに、夏の甲子園のファンであるにもかかわらず、夏の甲子園というのは(春の甲子園も似たようなもの)、高校野球の本当の姿がうまく伝わらない面もあると思っています。特に夏の甲子園は、夏という極めて印象的な季節のさなかに開催されることもあって、夢見心地な面が強すぎると思っています。だからこそドラマチックで楽しいんですけど、ちょっとメディアの扱いが熱烈に過ぎるかなというところもありますし、もはや夏の甲子園というのは、高校野球の本当の姿(というより、日常の姿)からは、ちょっと離れてしまっているのかな、と思っています。

 

 これに対して、秋季大会や春季大会では、高校野球の本当の姿、日常の姿を目にして楽しむことができると思っています。入場料は取られますが(600円程度)、お客さんは入っていても、ふつうの平日に行われることもあって派手な応援もありませんし、のんびりと静かに野球を楽しむことができると思います。

 

 そういう観戦の中では、ぜひ、グラウンドでプレーする選手やベンチに控えている選手たちの「声」を聴いていただきたいです。夏の甲子園や、その予選の決勝近くの試合になると、お客さんも万単位、派手で華やかなブラスバンドの大応援団の応援で地響きするくらいですから、グラウンドレベルの選手の声を聴くことはほとんどできません。でも、秋季大会や春季大会なら、試合中の選手たちの元気な声が、よく聞こえます。具体的な指示、かけ声、仲間を応援する声などが、よく聞こえてくるので、それに耳を傾けながらゲームを観戦するというのも楽しいですよ。特に、夏の甲子園春の甲子園をテレビで観るだけ、といった方には、ちょっと新鮮な楽しさがあると思います。

 また、甲子園大会や、地方大会でも決勝戦などはプロのウグイス嬢の方が場内アナウンスを担当されますが、こういう地方や地域の大会では、地元の普通の(といっても、近隣野球部の女子マネさんだと思いますが)女子高生がアナウンスを担当するので、その初々しさも、いい雰囲気を出していたりします。たまにアナウンスを間違えてしまい、「失礼いたしました……」と懸命に訂正したり、ふつうの女の子がネット裏の放送ブースで一生懸命がんばっている姿を想像すると、選手だけでなくそういう子たちも「がんばれ、がんばれ!」と応援したくなりますね。

 

 今日、ひさしぶりに春季大会を球場で観戦して楽しかったのは、そのグラウンドレベルの選手たちの声が、25年前とほとんど変わっていないということでした。

 

 「狙ってけー、狙ってけー」

 「落ち着いてなー、ラクに行けラクにー」

 「ライナーバック、ライナーバック!」

 「ランナー気にするな、バッター勝負、バッター勝負!」

 「内野ー、ダブルー!」

 「外野下がって、下がってー」

 「外野4つあるよー」(注:「4つ」というのは、バックホームのこと)

 「逃げんなよー、逃げんなよー」

 「勝負、勝負!」

 

 などなど。懐かしい声がいっぱい、元気よく響いていました。

 

 技術や戦術の面では、25年前からはすごく進化していると思いますが、16歳から18歳の選手たちが声をからして張り上げる内容は、25年前とほとんど変わっていなくて。きっと35年前、45年前、そして100年前からみても、ほとんど変わっていないのでしょう。そういう声を聴くのは、とても楽しい時間でした。

 

 第1試合は常総学院が、第2試合は日大三が勝ちました。第2試合は東京の日大三高と開催県である千葉県の代表、習志野高校の組み合わせでしたので、習志野高校の応援の方が元気でしたが、ふしぎなもので、私は今千葉県に住んでいるのに、出身の東京の代表を応援してしまいました(笑)

 

 今日は快晴で、初夏というより、もう夏というような陽気で、ずいぶん日に焼けました。「あれ?ラウンドしてきたの?」と言われそうです(笑)

 

 野球場の緑も鮮やかになってきて、とてもきれいでした。

 

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(緑鮮やかな外野のフィールドは、25年前の私の「職場」。なんとも懐かしいです笑)

 

 平日の休み、若さあふれる高校生たちから元気をいただいた一日となりました。

 

 それにしても、選手たちも応援の生徒さんたちも、キラキラしているなあ……

 

 それがどうにもまぶしくて、ちょっと寂しい気持ちにもなった、初夏の一日となりました。

 

 今回はこのあたりで。

 

 おやすみなさい。

「体重移動態」と「回転態」

 ちょっと前の雑誌の記事になるのですが、坂田塾で有名な坂田信弘先生が、週刊パーゴルフ2018年5月1日号Vol.16のグラビア記事で、坂田信弘がマスターズで見た!世界のスイングに進化あり!」という記事をお書きになっていました。パトリック・リード選手(アメリカ)の優勝で幕を閉じた2018年マスターズ観戦記の中で、現在の欧米で主流となっているスイングについての論評(解説)です。お読みになられた方も多いのではと思います。

 

 記事の中で坂田先生は、スイングを大きく2つに分けられており、一方を「大きな体重移動はせず、その場の回転で打っていく回転態スイング」(18ページ)、もう一方を体重移動態スイング」(18ページ)と「定義づけ」をされています。なお、「捻転態」という言葉も使われており(18ページ)、体重移動態スイングというのは、捻転態スイングとほぼ同義のようです。

 

 ゴルフスイングにおいて体重移動」というのは大きなキーワードのひとつですが、この体重移動をほぼ行わず、その場の回転を重視して打つのが「回転態スイング」、体重移動をしっかりと行って打つのが「体重移動態スイング」というわけです。

 

 そして、現在の欧米においては「回転態スイング」が主流となっており、従来の(特に日本における)体重移動態スイング」は過去のものになりつつある、ということでした。

 

 体重移動態スイング、回転態スイングという言葉を坂田先生は以前からお使いになられていたのかも知れませんが、私は今回、初めて知りました。

 

 坂田先生がスイングを「回転態スイング」と「体重移動態(捻転態)スイング」の2つに切り分けてお話をされているのを読んで、スイングに関してうまくいかずに悩んでいた様々なことが、ストンと胸に落ちたように思いました。

 

 以下、少し長くなりますが、引用させていただきます。

 

 「日本は全体の調和の美を好み、求めてもきた。だから野球においてもピッチャーの投球フォームで、投球終わりに乱れのない美しさを求めた。体重の完全移動が必要であった。」

 「米国は回転態を好んだ。フィニッシュの崩れには頓着しなかった。」「左足一本立ちのフィニッシュは美しい。それは体重移動態スイングである。」「米国人は投げ終えた後の崩れは投球に影響しないと考えた。結果を重視しての合理性であった。」

 「日本は全体を大切にした。途中の先に結果があると考えた。」

 「米国は結果は結果と考えた。速い球、クセ球を投げるのにフィニッシュの美しさは必要かと考えた。」「なら速い球、クセ球を投げることのできる乱れのフィニッシュも美しさなり、と考えた。」

 「今、米国は体重移動多きスイングより、体重移動少なき回転態スイングが主流となっている。」(以上、19ページ)

 

 特に投手の投球フォームに例えられていた点は、「なるほど!」と思いました。私はゴルフのレッスンが野球に例えられる記事をあまり好みませんが(野球に関する知識が中途半端なものが多いので)、今回の坂田先生の記事は大いに納得できました。「そういうことだったのか」と。

 

 坂田先生のおっしゃる通りで、日本の投手は、ボールを投げた後もバランスよい姿勢をとることを重視します。一部を除けば、投球後にバランスを崩す(たとえば右投げの投手が、投球後に大きく左へ倒れ込むような)投手は少ないと思います。(実際、投げ終わった後にバランスを崩すようなフォームは、かなり早い段階で指導者に矯正されると思います。)

 これに対して、メジャーリーガーなどアメリカの投手は、全身のパワーをすべて注入してボールを「ブン投げた」後は、どうにでもなれ的な投手(?)が多いように思います。

 

 この差を「全体の調和を重視するか」「結果を重視するか」の違いからくるものと論じ、前者が日本のゴルフスイングであり、後者が欧米のゴルフスイングであると論じられた坂田先生は、やっぱりすごいです。

 (なお、日本では投手の投球フォームで投球後もバランスのよい姿勢を保つことが重視される点については、調和的美しさの点もさることながら、それ以上に「投手は9人目の野手である」という考え方、すなわち投手は投げ終わった後は打球に対して確実に対応できる守備姿勢を取るべきである、という考え方によるところが大きいように思います。投げ終わった後に直ちにバランスよく美しい守備態勢に入ることができる投手としては、有名な方では桑田真澄さんが挙げられると思います。)

 

 「ああ、自分が目指すスイングは、体重移動態スイングというものだったんだな」ということを、坂田先生の切り分けによって初めてスッキリと理解することができました。

 

 白状しますが、今までまじめに練習してきたつもりではありましたけど、知識のない私にはそもそもスイングは「手や腕を積極的に使う」タイプか、逆に「手や腕をなるべく使わない」ことを重視するタイプか程度の理解しかなく、前者をマニュアル系、後者をオートマチック系などという底の浅い区分けしかできていなかったのです。マニュアル系、オートマチック系という区分けは自分の中ではけっこうイメージしやすいものなので、今後も使っていくつもりではおりますが、「回転態」と「体重移動態」という坂田先生の用いられた言葉は、すごくイメージしやすいものでした。

  

 この坂田先生の区分けと同内容のことが明確に書かれているレッスン本は、私の少ないレッスン本読書歴の限りにおいてですが、おそらくなかったと思います。

 お時間のあるときに本ブログの「レッスン本レビュー」にもお目通しを願えればと思いますが、坂田先生の記事を読んだ今になって思うと、「3-1. レッスン本レビュー(国外)」でご紹介している本のほとんどは回転態スイングを指向するものであり、「3-2.レッスン本レビュー(日本)」でご紹介している本は、両者五分五分であることに気づくに至りました。

 特に私が最も参考にしている谷将貴先生の本は、ほぼ100%体重移動態スイングを指向されるもの、といって良いと思います。現在の主流であろうとなかろうと、私は体重移動態スイングを目指したいです。

 ただ、体重移動態を指向する本の中でも、「回転」という言葉が頻繁に用いられるため、私の読解力ではその本が真に伝えたいスイングのポイントを理解できていなかった、という面がありそうです。

 

 回転態スイングと体重移動態スイングという言葉を知ったうえでそれぞれのレッスン本を読むと、今までとはちがった面が見えてきそうです。新たな視点で、また読み直してみようと思います。非常に楽しみです。

 

 優れた記事を目にすると、自分の無知が恥ずかしくなります。坂田先生、ありがとうございました。

 

 今回は、かなり読みづらい文章になってしまいました。すみません。 

 

 また、しっかり勉強して、練習しようと思います。

TOGETHER (1988年 小比類巻かほる)

 今回は、この方です。

 

 小比類巻かほるさん。

 Kohhyの愛称、パワフル、ソウルフルなボーカルとキレのあるダンスアクションで、(私の印象では)1980年代半ばから1990年代半ばあたりまでの日本のミュージックシーンで大活躍された方です。当時の年末のテレビ番組といえば紅白歌合戦が定番でしたが、その紅白にも2回出場されており、ファンでなくともそのお姿を覚えているという方も、多くおられるのではないでしょうか。

 


小比類巻かほる TOGETHER

 

 もともとデビュー曲「Never Say Good-Bye」(1985年)はテレビドラマ主題歌、City Hunter~愛よ消えないで~」(1987年)はテレビアニメ主題歌ということで、小比類巻さんのお名前が世の中に浸透していくのも早かったと思いますが、私が小比類巻さんの音楽に出会ったのは少し遅れて、1991年夏に東京で開催された世界陸上競技選手権大会世界陸上)のイメージソングTIME GOES BYでした。

 

 当時の私は高校生活にも慣れて、世の中のいろいろなことに興味を持ち始めた頃に、ちょうど東京で開催された世界陸上の様子は、けっこうテレビで連日、熱心に報道されていたように記憶しています。

 

 何ともいえずロマンのある雰囲気のイメージソングが、当時本格的に野球というスポーツにのめり込み始めた私には強く印象に残って、それがきっかけで小比類巻さんの音楽を聴くようになりました。だから、いちばん最初に買ったアルバムは「silent」(1991年9月)でした。

 

 その後、それよりちょっと前に発売されていた「KOHHY’S SINGLES」(1991年7月)を買って、その2枚のアルバムはよく聴きました。

 

 正直なところ、私はオリジナルアルバム1枚と、比較的初期のヒット曲をセレクトしたベストアルバム1枚の2枚を聴き込んだだけですから、ファンとしてはビギナークラスにすぎないのですが、とにかくカッコいいな、すごいなあと。

 

 特に今回ご紹介した「TOGETHER」は、いちばん好きですね。最初から最後までカッコいいですが、後半に入るあたり、ちょっと曲調が変わるところ(こういうの、音楽の専門用語ではなんというのでしょう?ちょっと素人なもので、知らなくてすみません)

 

 「夢のかなたまでにも戻れるような 君を誇りに想う」

 

 という部分が特に好きです。

 

 この一曲は、今でもけっこう聴きます。ラウンドの日は、早朝からゴルフコースに向かうクルマの中でガンガンにかけて、テンション上げたりしています(笑)

 

 それにしても、この記事を書くためにあらためてYouTubeにアップされている映像をみたのですが、小比類巻さんって相当きれいな方んですね……

 

 当時16歳の私には、どういうわけか、それがわかっていなかったというのが、42歳の今となって多少、悔やまれるところです(笑)

 

 2018年も5月の半ばを過ぎました。私もまもなく43歳になります。そんな今でも、才能あるお若いアーティストの方々が次々と素敵な音楽を生み出されていると思うので、そのような音楽もしっかりと聴いてみたいとは思っていますが、気がつけば自分が若かった、印象的な季節に流れていた音楽ばかり聴いている自分がおります。

 

 それがいいことなのか、それとも停滞もしくは退廃なのか……

 

 自分では、よくわかりません(笑)

 

藤田智美プロ

藤田智美プロ <M系> オススメ度:★★

 

チャーミングゴルフ ビギナー編 (発行:ブックマン社 発売:朝日出版社 1981年)

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 藤田(金谷)智美先生は、1980年プロテスト合格、現在でもLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の会員で、会員区分は「プロフェッショナル会員」です。

 

https://www.lpga.or.jp/members/info/1000171

 

 1985年に智美先生が師事していたプロゴルファー、金谷多一郎プロとご結婚され、現在ではご夫婦で主にティーチング活動に精力的に従事されているそうです。金谷多一郎プロは、今でもツアー中継などでラウンド解説などのお仕事をしておられますし、雑誌の記事などでも、けっこうお見かけする機会が多いです。

 

 智美先生は、ツアーの世界ではほとんど実績を残すことができなかったようですが、健康的で華やかなルックスから、当時のファンの間では人気があったようで、「アイドル・ゴルファー」(私はこの類の表現はあまり好きではないのですが……笑)の先駆け的な存在でもあったようです。

 

 プロになられたのが1980年で、その翌年、1981年にはいきなり「藤田智美」のお名前で本を出しておられるのですから、当時の人気のほどがうかがえます。

 

 本書は実家の父の本棚に眠っていたのを、勝手に拝借してきたものです。なぜか智美先生のサインが入っており、父がどういう経緯で本書を手に入れたのかは不明ですが、当時、家庭を完全に放棄して毎週末ゴルフに熱中していた父が、おそらくプロアマか、知人の紹介か何かで手に入れたのではないでしょうか。

 

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 レッスン本好きの私はじっくりと各項目を読みましたが、ウッドはパーシモン、アイアンは3番からという時代の本ですから、現代のスタンダードからすれば少し外れる記述も多いものの、読んでいて楽しい本です。

 

 「スイングの練習は、まず5番アイアンから」(54ページ)という項目があり、当時はレディースのビギナーの方でも、最初は「5I」から打っていたことがわかり、時代を感じます。現代なら、7I~9Iが推奨されるでしょうから(笑)。「刻印の違いだけで、昔の5番が今の6番、7番」ということはわかっていても、レディースのビギナーの方が5Iでスイングを作っていたというのは、なんか楽しいです。

 ウッドショットも、パーシモン・ウッドですからね。読んでいて楽しいです。

 

 レッスン内容は、「チャーミング・ゴルフ」というかわいらしいタイトルとは裏腹に、かなり本格的です。というより、相当なレベルのことが書かれています。

 

 「ビギナーのスイングでしばしば目につくのは、クラブをかつぐようにテイク・バックして手先だけでちょんとボールを打つくせです」「ボールは手でなく、からだの回転運動で打つものです」(「いいスイングは、左肩の回転から生まれる。」90ページ)。

 「ゴルフは、腰の回転で打つものだとよくいわれます。…バック・スイングの主なねらいは、右に回転させた腰がもとの位置に戻る力を利用して、ダウン・スイングのとき、クラブ・ヘッドによりスピードをつけてやることにあります。」(「腰の回転運動は、右ひざと左足かかとがポイント」98ページ)

 

 これらは、あの伝説の巨匠・ベン・ホーガン先生「ダウンスイングは、腰の回転から始まる」と断言しているとおりで、このような考え方が当時のスタンダードであったことがうかがえます。また、「(左)肩の回転」を重要ポイントとするのは、あの陳清波先生の教えのままですし、そう考えますと、1980年代初頭というのは、まさにホーガン先生の「モダン・ゴルフ」、陳先生の「近代ゴルフ」という日米の名著に記述されているスイング論が、通説として機能している時代だったのだと思います。

 

 「フォロー・スルーが大きいほど、飛距離は伸びる」という記述もあり(106ページ)、フォロースルーを大きく伸び伸びと取るべきことは陳先生も相当重視されていますし、やはりこの時代は男子・女子を問わず、ホーガン先生や陳先生の理論が支配的だったことを感じさせてくれます。

 

 現代のアマチュアゴルファーが読んでも、大変勉強になる一冊ですが、現代における本書の価値は、本ブログの本旨からは少し外れますが、「80’sへのノスタルジー」にあると思います(笑)。

 

 手描きのイラスト、今となっては古い写植体の本文など、「当時の本とか雑誌って、こんなんだったよなぁ……」という懐かしさを感じさせてくれる本で、レッスン内容以外のところで楽しい気分になれる本です(笑)

 

 

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(出典:38~39ページ。1975年生まれの私にも、何となく記憶があります。当時の本って、こんな感じでした。)

 

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(出典:42~43ページ。私は女性のファッションには疎い方ですが、そういう時代だったんだということくらいは、わかります笑)

 

 こういうのが、時代を感じて、とても楽しいのですね。

 

 ほかには、「”フェアウェイの花”をつとめるのが、女性ゴルファーのつとめ」(30ページ)という記述もあり、これはちょっと現代の感覚からすると問題があるんじゃないかな……という記述もあるのですが、1980年代初頭というのは、そういう時代だったと、ある意味社会学的見地」からも、本書を読んでいると、とても興味深い点でいっぱいです。

 

 本書が今でも手に入るのかと思い、Amazonさんで検索してみたところ、「中古品」でけっこう出品されているようですが、7,000円くらいの値がつけられているのもあって、ちょっとビックリしました。「それなら、直筆サイン入りのこの本は、20,000円くらいで売れるのかな?」なんて、ちょっと思ってしまいましたからね(笑)。

 

 もっとも、売る気はまったくありません。不仲に終わった父の、形見のようなものですからね……(苦笑)。

 

 こういう古い本を探すのも、「レッスン本マニア」の醍醐味です。

 

 今回は、ちょっと変化球的な一冊のご紹介となりました。

 

 遠い昔のゴルフ・シーンに、想いをはせてみるのも、たまには悪くないと思います。

トレーニング

 私、明日からトレーニングを始めようと思います。

 

 ゴルフを始めてから今まで「やらねば」とは思っていたのですが、生来の怠惰な性格ゆえ、ちょっとやってみてはすぐやめる、の繰り返しでした。ジムに入ってがんばろうとしましたが、気づけばお風呂に入って帰るだけの「お風呂会員」になり下がる始末で、とにかくサボり続けておりました。

 

 で、ちょっと前の話になるのですが、暇つぶしに立ち寄ったバッティングセンターで打席に立ったところ、まったく打てなかったんですね。

 

 バッティングセンターに備え付けられているバットは、少年野球用の軽い軟式バットです。とりあえず久しぶりなので、120km/hの打席に入りました。最低末端レベルとはいえ一時期は野球に熱中した私ですから、バットを持って打席に入るというのは、やはり身体が覚えているものです。無意識ですが25年前と変わらぬルーティンで、打席に入りました。

 後ろで少年野球の子どもたちが順番を待っていましたが、「少年たち、オジサンがお手本をみせてあげよう」とばかりに自信ありげな私。さあ、来い、マシンくん。

 

 ……速い!120km/hが、速い!

 

 当てるのがやっと、空振りもする。25球で、前に飛ばせたのは数えるほどしかなかったです。なんだかとても恥ずかしくなりました。子どもたちの冷ややかな目線から逃げるように、スゴスゴと打席を出ました。かなり悲しかったです。

 

 うーむ、と思って、少し球速を下げて、115km/hの打席に立っても同じ。

 

 あまりに面白くないので、100km/hまで下げてもダメ。

 

 3回、75球スイングして、もうヘトヘト。200円×3回=600円を返してくれ!と思いました(泣)

 

 バットを持って、打席に入り、スタンスをとるまでのルーティンをみたら、誰もが経験者だと思うはず。スイングも、けっこうシャープに振る方だと思います。

 

 でも、当たらない。飛ばせない。ファールがやっと、空振り連発。散々の結果に、もう笑ってしまいました。

 

 そのとき思ったのは、バッティングのイメージは完全に脳に記憶されているのですが、脳の指示どおりに身体が動かないんだなぁ、ということです。

 

 もはや少年野球用の軟式バット(硬式用とくらべると、オモチャみたいなバットです)すら振れないわけです。バットを振る腕、上半身の筋力もなく、スイングを支える下半身の筋力もないので、スイングが成立しないんですね。投球に対してバットを振っていくとき、バットの軌道を維持できないんです、たぶん。だから当たらない……

 

 私はつなぎ役の打者でしたからもともとパワーはないのですが、センターから右方向にカツーンと打ち返すのは得意な方でした。それが、もはや当てるのがやっと。

 

 そのとき、「あ、俺のゴルフ、手で打ってるだけなんだ」と認識させられました。自分では「ボディーターン学派」所属(?)と思って調子に乗っていましたが(笑)、バッティングセンターで打席に立ってみたとき、ああ、ゴルフでボディーターンなんて全然できてないんだな、と痛感させられました。

 100km/h~120km/h程度のマシン相手の打撃で散々というのは、まったく身体が動けず、何も反応できていない証拠です。だから、ゴルフでも実は打てていなくて、ただ器用な手と腕でクラブをヒョイと動かして、なんとなく打っているだけなんだな……

 

 無念です。しかし、自業自得です(泣)

 

 これは大変、悔しいので、トレーニングを始めようと思ったわけです。

 

 で、ようやく今日、その決意をしたと。

 

 25年前のような身体に戻ることはできなくても、43歳としては強い身体を手に入れたいなと思います。まずはスイングを支える下半身を鍛えよう。おー。

 

 しかし、続くかなァ……

 

 また3日くらいで挫折するんじゃないかなァ……

 

 「明日から」とか言ってる時点で、すでにダメなんじゃないかなァ……

 

 今回はこのあたりで、失礼いたします。

 

 今日も一日、おつかれさまでした。明日という一日が、良い一日となるといいですね。

プロの技術は真似できない

 今回書かせていただく記事は、以前から強く思っていたことです。

 

 ゴルフを始めた直後から、なんか変だな......と思っていたことがあるんです。

 

 このブログのタイトルも「レッスン本レビュー」というくらいですから、生来的に読書好きの私は数々のレッスン本を読んできましたし、これからも楽しく読んでいくでしょう。

 

 ゴルフ雑誌も好きで、大好きな「オーイ!とんぼ」が連載されていることから週刊ゴルフダイジェストを定期購読していますが、パーゴルフも好きで、けっこう買って読んでいます。

 

 レッスン本大好き、ゴルフ雑誌大好き、の私なのですが、それらを読んでいて、いつも大きな違和感が、どこかにあるのです。

 

 その違和感の正体は、実は明確で、ゴルフレッスン本やゴルフ雑誌のレッスン記事には、「本当の意味でのアマチュア向けのレッスンが、実は少ない」ということなのです。

 

 どのレッスン本も、レッスン記事も、そのほとんどは「プロはこうしている」式の記述にあふれています。特に雑誌のレッスン記事でその傾向は顕著で、ツアーの第一線で活躍しているプロ選手(男子プロ、女子プロ問わず)をモデルにして、人気のあるティーチングプロの先生やツアープロコーチの先生がその技術を解説して、「みなさんもこういうふうにやりましょう!」的な構成となっていることが、なんと多いことかと……(もちろん、モデルとなるプロ選手のイメージアップにもなりますし、記事が華やかになるので、そういうのは楽しいのですが)。

 

 これって、ふつうに考えると、おかしなことだと思うのです。

 

 なぜなら、「プロ」の技術を、ふつうの「アマチュア」が真似できるものではないはずだからです。遠慮なくいわせていただきますと、それは不可能です。

 

 プロがやっていることをアマチュアができるとすれば、そのアマチュア限りなくプロに近い能力を有しているトップエリートの方々だけだと思います。たとえば、本気でプロを目指している方とか、日本アマとか日本女子アマを本気で狙うレベルの方々といったような。著名な方では、往年の中部銀次郎さんのような。

 少なくとも、私のようなふつうの趣味のアマチュアには、到底不可能なはず。

 

 それなのに、多くのレッスン本やレッスン記事では、「プロのやっていることが、(ふつうの)アマチュアにも、まじめに練習すればできる」かのような論調で記述されているように思うのです。

 

 「そんなわけ、ないだろ」と……(笑)

 

 現在の高校野球の世界で、おそらく全国の頂点に立っているといって差し支えないチームとして、大阪桐蔭高校大阪府があります。もはや名将と評価の高い、西谷浩一監督(1969年生まれ、同校社会科教諭)率いる、有名プロ野球選手を多く送り出している超強豪校です。

 同校の練習には、プロ野球のオフシーズンなどにはOB選手が多く訪れるそうで、選手の方々は第一線で活躍する、同校の先輩でもある一流のプロ野球選手から、多くのことを学ぶようです(野球はプロ・アマ規定が厳しいですが、いろいろな形で、選手の方々はOBから学ぶのでしょう笑)。

 西谷監督ご自身も、「子どもたちが一流のプロ野球選手となったOBから学ぶことは多く、意識的に学ばせている」「甲子園だけでなく、その上のレベルを意識させている」という旨のコメントをおっしゃっていたように思います。

  

 これって、甲子園には無縁の(といいますか、甲子園なんて想像したことすらない)公立高校の弱小野球部で選手経験のある方(私のような方)は、おそらく「そうだよね」とご納得いただけると思うのですが、ものすごいハイレベルな話だと思うのです。

 一流のプロ選手の技術を「自分にも実現可能なものとして」学べるのは、大阪桐蔭(または、同レベルの強豪校)でプレーするハイレベルな選手だからできることであって、普通の高校の選手には、まず無理でしょう。ていうか、そんなこと考えもしません(笑)

 

 プロ野球選手のプレーに憧れて、どうにか真似しようとしたり、優れている点を学ぼうという姿勢は、おそらくかつての私のような弱小チームの選手にも、あると思います。

 私の時代だと、1990年代前半、ちょうど野村克也監督率いるヤクルトスワローズの黄金期で、外野手だった私は、俊足巧打、華麗な守備でファンを魅了する1番センター・飯田哲也選手が大好きで、飯田選手のプレーに憧れていました。神宮球場に観戦に行っても、テレビ中継を観ても、飯田選手の守備を観察して、自分のプレーに取り入れようとは思っていました(そういう選手、当時外野をやっていた小中高生の選手は多かったと思います)。

 でも、同時に「飯田選手のプレーが、自分にできるはずはない」こともちゃんとわかっていたので、あくまで頭の片隅で参考にする程度のことでしかなかったわけです。憧れはするけれど、自分にはできないものであることを、ちゃんと理解したうえで、ちょっとだけ参考にしている、という感じです。

 

 ゴルフのレッスン本も、雑誌のレッスン記事も、あくまでふつうのアマチュアが努力すればできて、スコアアップにつながる内容の記事、言い換えればプロとかアマチュアのトップエリートとかのレベルとは切り離した、本当に基本的で大切な部分をしっかり教えてくれるような、そんな記事が増えればいいなと思います。

 

 もっとも、探せばけっこうあるんですよね。ふつうのアマチュアであることを前提として、ふつうのアマチュアが努力すれば実践できる有益なレッスンが書かれている本も、けっこうあります。「プロ」という言葉が一切出てこない本もあります。

 

 私が谷将貴先生を好きなのは、先生が「アマチュアにできる範囲のこと」を明確にして、わかりやすいレッスンを展開されているからです。もちろん谷先生もお話の流れで「プロはこうしている」的なことをおっしゃることもありますが、それはあくまで余談で、主眼はふつうのアマチュアに実現可能なこと(中には相当練習しないとできない高度なものもありますが)を伝えるところにあるからなのですね。実際、先生のレッスンの中では「プロの真似をするな」というのもありますしNHKテキスト趣味どきっ 今どきっ!ゴルフはシンプル&スタイリッシュ 美しくなることは強くなること NHK出版 2017年 25ページ)

 

 そういう本も、また本ブログの「レッスン本レビュー」でご紹介していければいいなと思います。

 

 レッスン本やレッスン記事を参考にする際は、そのレッスンがふつうのアマチュアにとって実現可能な内容なのかを考えて、取捨選択すべきではないかと思っております。そうでないと、かなわぬ夢を見ることになりますから……(泣)

 

 今回はこのあたりで。

 

 今日も一日、おつかれさまでした。

SOMEDAY (1981年 佐野元春)

 今回は、佐野元春さん。

 永遠のロックンローラーあの尾崎豊も大きな影響を受けたというビッグネーム。たった一つの音に、一息で多くの言葉を乗せる大胆な技法は、尾崎の曲作りに自信を与えたと、尾崎の回想記か何かで読んだ記憶があります。

 SOMEDAYは、佐野さんのファンでない方も一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。名曲の一つです。

 


佐野元春 サムディ

 

 1981年の作品ですから、1975年生まれの私はリアルタイムで聴いたわけではなく、10年後の1991年、高校1年生のときに、佐野さんのファンだったクラスメートに勧められて、放課後の教室で初めて聴きました。

 

 よく、教室で友だちのウォークマンのイヤホンを片方借りて、そいつの聴いてる音楽をちょっと聴かせてもらうなんてこと、ありましたよね。その相手がちょっと気になる女の子だったりしたら、それだけでその日はハッピー、思う存分舞い上がることができましたよね(笑)。

 

 今の子だったら、スマホでスピーカーONにして、みんなで聴くのでしょうか。なんか、それだと味わいがないんだよなぁ……と思うのは、私が立派なオッサンと化したという動かぬ証拠なのでしょう。

 

 まだ16歳の、どこにでもいるフツーの男子高校生だった私も「なんかカッコいいな」と思いました。イントロ(CD版のイントロは、よく聴くと、都会の雑踏の音が入っているのがお洒落です)から、ちょっと切ない感じで、歌詞も印象的でした。

 

 とりあえず気に入ったので、学校帰りに近くのレンタルショップに寄って、ベストアルバム「No Damage」を借りて、ダッシュで帰宅してカセットテープにダビングして、またダッシュで返却に行きました。当時、CD1枚借りるのにもけっこうお金がかかりましたけど、「当日レンタル」だと、100円くらいだったんですよね。

 

 自転車通学でしたから、行き帰りのウォークマンでもよく聴きましたし、家でもよく聴いていました。とはいえ、当時はそれほどファンというわけでもなかったです。

 

 この曲は……30代に入ったあたりから、急に胸にしみるようになりました。

 

 ~♪

  街の唄が聴えてきて

  真夜中に恋を抱きしめた あの頃

  踊り続けていた

  夜のフラッシュライト浴びながら

  時の流れも感じないまま

  窓辺にもたれ

  夢のひとつひとつを

  消してゆくのは つらいけど

  若すぎて何だか解らなかったことが

  リアルに感じるこの頃さ

 ~♪

 

 「あー、こういうことだったんだな」と、妙に寂しい気分になったのを覚えています。私は10代の頃に描いた夢をけっこう長く追いましたけれど、20代の終わり、現実に負けて望まない仕事に就いていた頃で、ようやく、この歌詞の意味を始めて理解したわけです。ちょっと泣きそうになったのを覚えています。

 

 ただ、この曲はだからといって投げやりになって生きるというのではなく、「それでも前を向いて生きよう」いうメッセージが込められていると思いますので、前向きな歌でもありますよね。

 

 高校を卒業する頃、「No Damage」は自分でCDを買って、今でも持っています。

 

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(ディスク表面の「そっけなさ」が、なんとも80’sの雰囲気で、懐かしいです。) 

 

 今、何年かぶりに古いCDを取り出して眺めていて、初めて思ったのですが、「ノー・ダメージ」っていうタイトルは、もしかしたら逆説的な意味なのでしょうか。若いころは文字通りに「ダメージなんて受けないぜ!」という意味だと思っていたのですが、今回改めてSOMEDAYを聴いてみると、暗に「(打たれ続けて)ダメージばっかだぜ……」という意味が込められていたりもするのかなと……。「もうボロボロだ。でも、倒れないぜ」というメッセージだったりするのでしょうか?そうだとしたら、これはカッコいいと思います。

 

 あくまで私の想像です。私の感性では、本当のところはよくわかりません(笑)