72を切りたい!ゴルフを愛するアマチュア中年オヤジの「ゴルフ本」レビュー

~ゴルフレッスン本の感想、ゴルフあれこれ、その他いろいろ。気の向くままに~

ゴルフが野球に例えて説明されることについて

 ちょっと野球がらみの記事になってしまうんですけど……すみません。

 

 おそらく「棒を振って球を打つ」ということの強烈な類似性の故か、いろいろなところでゴルフのスウィングは野球のイメージを使って説明されています。バッティングだけでなく、ピッチングのイメージで説明されることも、多いように思います。

 

 野球経験者にとってはわかりやすい面もあるのですが、記事によっては「ちょっと、どうかな……」と思うものもあります。あくまで私が個人的に思うだけで、他の野球経験者、特に私などが経験できないハイレベルな野球を経験されていた方は、また違う考えをお持ちになるとも思うのですが、ご容赦ください。

 

 週刊ゴルフダイジェストのNo.16(4月24日号)では、野球がらみの記事が2つありました。ひとつは「“ハマの番長三浦大輔さんが駆け込みレッスン 芹澤センセー!飛んで曲がらないドライバー教えてください」というものでした(三浦大輔投手、横浜大洋ホエールズの末期に入団し、その後横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)をエースとして支えた、正確無比なコントロールを武器とする超一流投手。ほぼ同年代の私も大好きな投手でした)。

 この記事は野球に例えて芹澤先生が三浦さんにスウィングを教えていくというもので、読んでいて違和感はありませんでした。「真っすぐ飛ばすにはセンター前ヒットのイメージで振る」(同117ページ)とか、三浦さんの「ピッチングでもバランスよく投げることができたときは、左足一本で安定して立つことができる」(同119ページ)とか、素直に納得できるものでした。

 違和感がないのは、三浦さんが記事に関わっておられるのでしょうから当然かも知れません。

 

 同じ号で、「うーん、どうなんだろう……」と思ったのは、同じく毎回楽しみに読んでいる連載記事「フジタの時間」です。この記事は藤田寛之プロが主役の漫画形式で、今回はパッティングのテークバックに関する記事だったのですが、パッティング・ストロークにおける「パターの上げ方」について、

 

 「キャッチボールをするときに手の向きや腕の引き方を考えなくても」「相手に向かって投げられます」というセリフがあるんですね。だから「パットのストロークも人それぞれ」「真っすぐ転がせばいいのです」という「シメ」で終わるのですが、これって、どうなんでしょう?

 

 私が気になったのは「キャッチボールをするときに手の向きや腕の引き方を考えなくても」「相手に向かって投げられます」というところ。これは野球経験のある方々にお聞きしたいのですが、いかがですか?

 

 確かに、小さな子どもの頃に初めて野球に触れたときはそうだったかも知れないけど、その後中学、高校と野球のレベルが上がって行くにしたがって、「キャッチボールをするときに手の向きや腕の引き方を考えなくても」「相手に向かって投げられます」という意識でボールを投げておられた方、いらっしゃいますか……

 投手・捕手・内野手・外野手と、ポジションの違いはあっても、ある程度のレベルで野球を経験された方なら、ボールを投げるときの「手の向き」とか「腕の引き方」というのは、強く意識して練習された方が多いのではないでしょうか。たとえば外野手の方で、どうしても返球のときにヒジが低く落ちる癖があってパワフルな返球ができないから、もっと捕球後にヒジを高く引いてテークバックしようとか。

 

 ポジションを問わず、野球経験者なら、腕をどうやって引くか、どこに上げるかというのは、けっこう真剣に考えて練習を重ねたご経験があると思うのです。

 

 それを、「キャッチボールをするときに手の向きや腕の引き方を考えなくても」「相手に向かって投げられます」と言い切るのは、どうなのかな……と。レベルの低い野球選手としての感想で大変申し訳ないのですが、私はキャッチボールや外野手としての返球、ごくたまに務める投手としての経験から、野球のボールを投げることについて、その手の向きや腕の引き方は、数え切れないくらい長い時間をかけて、タオル片手の「シャドー・ピッチング」などで練習したつもりで、その結果として「考えなくても」投げられるようになったと思っているのですが……

 

 私は基本的に何かを批判することは苦手で、可能な限り肯定的に捉えたい性格なのですが、このような記事を目にすると、ちょっとネ……(苦笑)。

 

 もし作中の「フジタさん」がおっしゃっていることが、たとえばゴルフ界の生きるレジェンドジャンボ尾崎さん」(春の甲子園の優勝投手。プロ野球も経験されている、野球選手としても超一流)や、桑田泉先生のようなアマチュア野球のトップエリートの方がおっしゃっているというなら、納得もしますけど。

 

 もし、記事の編集に携わる方々がそれほど野球の経験がなく、あまり知識をお持ちでないのであれば、下手に野球を下敷きにしたゴルフ記事は組まない方が賢明だと思うのは、私だけでしょうか。

 

 野球経験をお持ちの、今はゴルファーのみなさん、どう思われますか?